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Basicバージョンプログラムのフリーズ問題(TriComp、AMaze、GamBet、XENOS)

最近のWIndowsアップデートでWindows 10を最新バージョンにした場合、Basicバージョンのプログラム(TriComp、AMaze、GamBet、XENOS)で、キーボードから入力を行おうとするとフリーズしてしまう問題が一部の環境で発生しております。(マウスでの操作は問題ありません。)

WindowsのMicrosoft IMEの最新版に問題があり、いろんなソフトで同様のトラブルが発生しているようです。
ユーザーの環境によって問題が起きたり起きなかったりで、詳細な原因はよく分かっておりませんが、IMEを古いバージョンで使うと問題が解決いたします。
 
下記の手順でIMEを以前のバージョンで使うよう設定してください。
 
(1) タスクバーにある文字入力のアイコン「A あ」を右クリックして、メニューの「設定(S)」をクリックします。
 
(2) 「Microsoft IME」が表示されたら「全般」をクリックします。
 
(3) 「全般」が表示されたら、画面をスクロールして「以前のバージョンの Microsoft IME を使う」のスイッチボタンをクリックします。
 
(4) 「以前のバージョンの Microsoft IME を使用しますか?」と表示されるので「OK」クリックします。
 

MAXCYCLEにつきまして

設定項目のMAXCYCLEというのは計算の反復数の上限値です。
ソフトウェアは一連の連立方程式を解き、その結果をもとに再度連立方程式を解き…というように計算を繰り返していきます。この繰り返し(反復数)の最大値のことです。
繰り返しがこの数に達すると計算は打ち切られます。
 
計算結果は相対残差(relative residual)が概ね1.0x10^-7程度より小さければ正確と言えます。(10^-6以上の場合は不正確な可能性が高いので結果を使うべきではありません。)
相対残差はログファイル(.*LSファイル)に記録されております。
 
相対残差が指定した値(ResTargetの値)より小さくなった場合も(回数がMAXCYCLEに達してなくても)計算が打ち切られます。
 
MAXCYCLEをどれくらいに設定したらよいかはメッシュの切り方や境界条件の設定の仕方、そのほかの条件により変わってきますので、一概には言えません。
まずは10000くらいにして、解の収束性が悪い場合はもっと大きくして残差の様子を見て、収束しないようならメッシュの切り方や境界条件を見直してみるなどしてください。

Geometerチュートリアル(ねじれの位置関係の棒の作成)

今回は図のような、計算領域の中央に円柱(fluid)があって、その横に斜めにねじれの位置関係に別の円柱(bar)がある場合のGeometerによる設定方法について説明します。
 
image011.png
 
まず、amaze.exeで作業フォルダを設定します。DATA FOLDERボタンをクリックして作業で使うフォルダーを選択してください。以降はすべての作業はこのフォルダ内で行われます。
 
201922518399.png
 
次にGeometerを起動してください。Geometerが開いたら、FILEメニューのNew scriptを選択してください。
 
2019225184022.png
 
するとこのようなダイアログが出ますので、任意のファイル名と計算したい範囲を入力します。ここではファイル名「test」、範囲をx、y、zそれぞれ-100~100としました。(単位は計算の時にHiPhiで設定します。)
 
すると次のような画面に変わります。
 
2019225184059.png
 
次に各パーツを作成していきます。パーツは属性として材質毎に異なるregion(領域)を設定する必要があります。
 
真ん中に液流のパーツを作ります。EDITメニューのAdd partを選択してください。パーツを追加するダイアログが出ますので、Part typeをCylinder(円柱形のパーツ)、Part nameを「fluid」(名前は何でも構いません)とし、RegionはREGION002(領域2)を選択します。(領域1は計算領域全体を表すSolutionVolumeとしてすでに自動的に作られています。) 
 
2019225184139.png
 
Radius(半径)を例えば10、Height(高さ)を200とします。そしてOKをクリックして完了です。すると画面には円柱の断面が表示されます。これは円柱がz軸の向きに倒れていることを示しています。
 
2019225184234.png
 
表示をY軸に垂直なものに変更するために、VIEWメニューのY normal axisを選択すると下図のように表示されます。
 
2019225184259.png
 
これを90度回転させてY軸方向に立てるにはEDITのEdit partを選択し、fluidのボタンをクリックしてOKボタンをクリックします。
 
201922518446.png
 
そしてダイアログのRotationのX rotation (x軸に関して回転)のところに90を入力してOKをクリックします。
VIEWメニューのZ normal axisを選択して表示を戻します。
 
つぎに棒状の電極を追加します。
同様にEDITのAdd partでPart typeをCylinder、Part nameをbar、RegionをREGION003とし、Radius(半径)を10、Height(高さ)を100とします。
このままではfluidと4重なった位置になりますので、位置をずらします。ShiftのX Shiftを例えば50、Z shiftを例えば-50とします。
またこの棒を傾けるため、RotationのX rotationを例えば-10とします。
OKをクリックすれば完了です。
   
2019225184711.png
2019225184737.png
 
VIEWメニューのOrthogonal/Paerspectiveを選択し、さらにVIEWメニューのGrid controlを開いてDisplay reference axesとDisplay solution volumeのチェックボックスをチェックしてOKをクリックすれば下図のような三次元表示にもできます。
 
image011.png
 
もう一度Orthogonal/Paerspectiveを選択すれば元の表示に戻ります。
 
2019225184737.png
 
形状の入力が終わりましたので、メッシュの設定を行います。FOUNDATIONメニューをクリックしてください。
図のように基本メッシュが表示されます。
メッシュの間隔を場所によって変えてみます。棒のある所だけ間隔を小さくしてみましょう。X AXISメニューのDivide zone (X)を選択し、fluidの少し左をクリックすると縦に濃い線が表示されx方向の領域が分割されます。再度Divide zone (X)を選択し、barの少しm右をクリックします。これでx方向の領域が3分割されました。
X AXISメニューのChange element size (X)を選択し真ん中の領域をクリックし、現れたEnter element sizeのダイアログボックスに例えば1.5と入力してOKしてください。
すると下図のように真ん中の領域のみが細かいメッシュになりました。
 
2019225184924.png
 
VIEWメニューのX normal axisを選択して表示をZY面にし、同じようにY AXISメニューを使ってY方向も中央のbarがあるあたりの細かくしてみてください。 
同様にZ AXISメニューを使ってZ方向も中央のfluidがあるあたりの細かくしてみてください。
 
2019225184953.png
2019225185447.png
メッシュの設定が終わったら、RETURNメニューをクリックして元の画面に戻ります。FILEメニューのSave scriptをクリックして.MINファイルを保存します。
 
次に作成した.MINでメッシュを作成します。amaze.exeからMETAMESHを起動してください。
 
2019225185523.png
 
FILEメニューのLoad MIN fileを選択して先ほどのtest.MINを選択します。 
PROCESS MESHメニューをクリックするとメッシュ生成が行われ、問題がなければ画面下にPress any key or mouse button to continue…と表示されますので、マウスで画面内をクリックするか何かキーを押しますと作業が終わります。
PLOT2Dメニューをクリックするとメッシュ分割の断面図が表示されます。
上のX、Y、Zと書かれたボタンで表示する面の方向を変えたり、赤い三角のボタンで表示する位置をずらしたりしてメッシュを確認することができます。  
 
201922518566.png2019225185631.png
 
 
このままでも計算は可能ですが、さらに形状をフィッティングさせたい場合は、MINファイル内のコマンドを直接書き換える必要があります。
MetaMeshでFILEメニューのEdit fileでtest.MINを開き、
PART 
Region: REGION002
Name: fluid
の下の* Surface Partの行の*を取り、PartNoを1に変更します。
同様に、
PART 
Region: REGION003
Name: bar
のところも変更してください。変更後は下図のようになります。 
 
2019225185712.png
 
FileメニューのSaveでファイルを保存しExitでファイルの編集を終了してください。
 
再度FILEメニューのLoad MIN fileを選択して先ほどのtest.MINを選択します。PROCESS MESHメニューをクリックするとメッシュ生成が行われ、問題がなければ画面下にPress any key or mouse button to continue…と表示されますので、マウスで画面内をクリックするか何かキーを押しますと作業が終わります。
PLOT2Dで確認すると先ほどより滑らかな曲線でメッシュ分割が行われたことがわかります。
 
2019225185755.png
 
RETURNメニューで元の画面に戻り、FILEメニューのSave meshでメッシュファイル(.MDF)を保存してメッシュの作成は完了です。  
 
2019225185819.png
 

TrakとOmniTrakでの電子ビームの中和 (開発元ブログより)

電子ビームの中和は、電界が印加されていない輸送領域で起こります。この場合、残留バックグラウンドガスとの衝突から生じるイオンが蓄積し、ビームの空間電荷によって発生する電界を打ち消します。
最近のお客様からの問い合わせをいただき、TrakOmniTrakのビームダイナミクスにおいて中和の効果を表す方法を調べてみました。 Trakの現在のバージョンには中和を表現するための簡単な方法がありますが、OmniTrakには新しい機能を追加する必要があることがわかりました。
 
非相対論的ビームの中和を表すのは簡単です(自己磁場はごくわずかであるため)。両方のプログラムでTrackモードを使用することによってビーム生成電界を単に無視すればよいということになります。
ビームダイナミクスに関して中和は、ビーム生成磁場が重要な役割を果たす相対論的電子に対してのみ重要となります。
 
まず、2次元のTrakプログラムについて説明します。ビーム輸送解では、唯一の電場源はビーム空間電荷です。目標は、ビームで発生した磁場を変えずに電場の力を減らすことです。この方法は、ビーム輸送領域にεr> 1の比誘電率を導入することによってEStatの電場分布を修正することで可能です。所与の空間電荷密度に対して、電場は影響を受けずに係数1/εrだけ減少します。
 
図1のビーム磁場計算結果は、標準のConvergingBeamの例題ファイルに対する効果を示しています。図1aは、εr=1の解を示し、図1bはεr=50の場合です。最大ビーム発生電位は147 kVから9 kVに低下しています。唯一の重要な点は、次のタイプのステートメントを追加することです。
 
VACUUM(E)= 1
 
Trak入力スクリプトのParticlesセクションに移動します。このコマンドは、εr = 1でRegionへのMaterialプロパティのデフォルトの割り当てを上書きします。図1bにおいて、自己磁場は入射点の近くにビームピンチを生じさせます。メッシュ解像度は細いネック部分でのビーム電場の計算にはおそらく不十分であるため、この点から下流の解は不正確になる可能性があることを認識することが重要です。
 
neut01.png
図1. ConvergingBeamの例題のTrack計算の結果。a) 中和されていないビームb) 中和されたビーム。
 
 
 
neut02.png
図2.相対論的近軸電子運動の方程式
 
 
OmniTrackはSChargeモードではビーム磁場を独立して計算しないため、プログラムを修正する必要がありました。図2(OmniTrakのマニュアルから抜粋)は、SChargeモードのRelApproxオプションの基本式を示しています。
この式は、電場が印加されていない領域での近軸相対論的電子ビームに対して成り立ちます。中和されていないビームの場合には、電気力と磁力の合計を表すために、軌道追跡中に電気力が1/γ^2倍されます。
 
この方程式は、中性化ビーム輸送へのアプローチを示唆しています。磁力は仮想の電気力に -β^2を掛けたものに等しくなります。新しいコマンドNeutApproxがSChargeモードのParticlesセクションに記述されると、OmniTrakは標準的な方法で電場を計算しますが、-β^2 Eの電場を適用して粒子ダイナミクスを計算します。
 
図3は、標準のOmniTrak例題ファイル、CircExpandの結果を示しています。図3aと3bは、RelBeamモードとSChargeモードのRelApproxオプションの粒子軌道と静電ポテンシャルをそれぞれ示しています。図3cは、SChargeモードのNeutApproxオプションの粒子軌道と仮想ビーム電界(ビーム生成磁界に比例)を示しています。 
 
Trakの結果と同様に、狭いピンチ部の下流の軌跡は正確ではありません。出力電界ファイルには、ビームで生成された電界に関する情報はありません(理論的にはゼロ)が、ビーム磁界のマッピングには使用できます。定量値の計算は、E(V/m)に-π/cを掛けてB(テスラ)を求めます。
 
neut03.png
図3. CircExpandの例題に対するOmniTrakの結果 a)RelBeamモード。 b)RelApproxオプションを使用したSChargeモード。 c)NeutApproxオプションを使用したSChargeモード。

GamBetのContour plot(等高線図)

GamBetの等高線図で上図のように、表示が部分的に空白になってしまう場合があります。

これは、粒子数が多い場合などで、ノイズが多いため、等高線のベクトル数が非常に多くなってしまうために起こる問題です。GBViewの等高線のベクトルは数の上限が5000までなので、ベクトル数が5000を超えてしまうと表示されなくなってしまうためです。

問題を解決するには、以下の方法があります。

  1. Dose analysisyメニューのSmooth doseで、ドーズデータをスムーズ化する。(下図)
  2. 値の表示範囲のLower limitをゼロより少し大きくする。
  3. ログスケールのプロットにする。

contour1.png

contour1_smoothed.png

 

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有限要素法による電磁界計算入門 05 静電場解析のテスト:電場の計算と分析

有限要素法による電場と磁場の計算に関するオンラインコースのこの5番目のセクションでは、前のセクションで説明したメッシュファイルを使用して電場の解析を行います。 開始するには、TriCompプログラムランチャーからEStatを実行します。 「1」のツールボタンをクリックし、メッシュファイル「COAXIALCYLINDERS.MOU」を選択します。 プログラムは、メッシュ内で定義された領域を調べ、図1のダイアログを表示します。示された値は、前の記事で解説した解析パラメータに沿った値です。 これらをフィールドに入力し、OKをクリックして、出力ファイル名「COAXIALCYLINDERS.EIN」を受け入れて保存します。

2017823124255.png

図1. EStat入力スクリプトを作成するためのダイアログ。

ダイアログの動作を理解するには、「File / Edit script(EIN)」メニューコマンドを選択し、エディタでファイルをロードします。 以下に内容を示します:
 
* File: CoaxialCylinders.EIN
Mesh = CoaxialCylinders
Geometry = Rect
DUnit =   1.0000E+02
ResTarget =   5.0000E-08
MaxCycle =    5000
* Region 1: DIELECTRIC
Epsi(1) =   1.0000E+00
* Region 2: INNERELECTRODE
Potential(2) =   1.0000E+02
* Region 3: OUTERBOUNDARY
Potential(3) =   0.0000E+00
EndFile
 
設定値の多くについて、何が設定されているのか理解できると思います。 解の精度を制御するResTargetとMaxCycleのパラメータについては、EStatのマニュアルを参照してください。 この場合、デフォルト値で問題ありません。
 
エディタを終了し、 “2”ボタンをクリックします。 「COAXIALCYLINDERS.EIN」を選択すると、EStatは1秒未満で有限要素式を生成して解きます。 メッシュサイズが大きくなると時間がかかりますが、一般的に実用的な解の実行時間は1分未満です。 プログラムは、ファイル「COAXIALCYLINDERS.ELS」(エディタで見ることのできる診断リストファイル)と「COAXIALCYLINDERS.EOU」(各ノードのメッシュ座標と電位の値の記録)を作成します。
 
結果を確認するには、 “3”ボタンを押し、「COAXIALCYLINDERS.EOU」を選択します。 「ANALYSIS」(分析)メニューで興味深いプロットを生成することができます(図2)。 また、図に示すような移動可能なフィールドプローブのような便利なツールもあります。 ここでは、具体的な数字に注目してみましょう。 まず、一つの点における計算(ANALYSIS / Point calculation)で解の絶対精度をチェックしてみましょう。 半径r = 10.0 cmでは、前の記事の数式では次の値が得られます。
 
Er(r) = 910.23923 V/m
φ(r) = 36.90703 V
 
EStatの数値補間は、周囲のノードの電位値の参照が含まれます。 対称境界では、使用可能なノードが半分しかないので、精度は最適ではありません。良い比較をするためには境界より内側のポイントを使うべきです。 45゜の線上で、r = 10.0 cmの位置は x = y = 7.071068 cm に対応します。 ポイント計算ツールをクリックします。 計算領域内でマウスを動かし、左ボタンをクリックすることで位置を指定することができますが、この方法は、この比較には十分正確ではありません。 ポイント計算(Point calculation)ツールをクリックした後、F1キーを押して、座標を手動で入力します。 x、yの値を7.071068に設定し、[OK]をクリックします。 計算された数量が画面下部に表示されます(図2)。 電位(36.90767 V)および電場(910.23111 V/m)の計算値は理論値と千分の1パーセントの桁で一致しています。
 
2017823124852.png
図2.ポテンシャルの塗りつぶし等高線図でとポイント計算の結果。
 
画面から数字をコピーするのではなく、EStatで数字を書き出してみましょう。 FILE / Open data record(データレコードを開く)コマンドをクリックし、デフォルトのファイル名のCOAXIALCYLINDERS.DATを受け入れます。 これで、インタラクティブな計算を行うたびに、結果がテキストファイルに記録されます。 たとえば、メニューコマンド「ANALYSIS / Volume integrals」(体積積分)を選択します。 結果のファイルは外部のテキストエディタで見ることができます。 EStat内部のエディタを使用するには、最初に「Close data record」(データレコードを閉じる)コマンドをクリックします(ファイルの2つのインスタンスを同じプログラムで開くことはできません)。 電界エネルギーの計算値(電界 エネルギー密度の体積積分)は次のとおりです。
 
Quantity: Energy
Global integral:   1.708936E-07
RegNo   Integral
==========================
1    1.708936E-07
2    9.881184E-37
 
 
内部電極(領域2)内の電界は数値的にゼロです。 誘電体(領域1)の電界エネルギーを使って長さあたりの静電容量を求めることができます。 計算では第1象限のみをカバーするので、100 V、Ue = 6.835744E-7 J/mでの同軸円筒の長さ当たりの電場エネルギーを求めるには、4倍する必要があります。 式 C = 2 * Ue / 100^2により、前のセクションで引用された理論値(c = 1.3567E-10 F/m)の0.8%以内の値c = 1.367149E-10 F/mが得られます。
 
要素のサイズの影響を理解するために、さまざまな要素サイズの選択肢について、いくつかの半径において精度を比較したいと思います。 しかしポイント計算ツールを実行し、各データの座標を入力する必要があり、手順が少々面倒です。 次回の記事では、この分析手順を自動化します。
 

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有限要素法による電磁界計算入門 04 静電場解析のテスト:メッシュの作成

この記事は、有線要素法を用いた電場および磁場の計算のオンラインコースの第4弾です。 前の記事では、入力ファイルの作成方法とメッシュパラメータの選択方法の詳細には触れずに、あらかじめ用意した例題を追って説明しました。 これで最初からサンプルを作成し、メッシュの幾何形状が解の精度にどのように影響するかを学ぶ準備が整いました。 比較を行う最も良い方法は、解析解を持つ系をモデル化することです。 ポテンシャルと電場の空間的変化を考える場合の良い例は、同軸円筒間に電圧を印加した場合の計算です。
 
201769155751.png
図1. 2Dコードで同軸円筒をモデル化する方法
 
2Dコードで同軸円筒をモデル化するには、2つの方法があります。最初のもの(図1、上)は、円柱座標z-rを使用し、zの上限と下限z境界でノイマン条件としてz方向に無限に長いモデルを計算することです。 (このノイマン条件は、電界Ezの平行成分が境界でゼロであることを規定しています)。電極境界が単なる直線であるこの手法は、コンフォーマル(共形)メッシュが必要ありません。しかしここでは代わりに、断面がx-y平面内にあり、系がz方向に無限に延びる平面座標(図1、下)を使ったモデルを使用します。各パラメータは、Ri = 5.0cm、Ro = 15.0cm、Vi = 100.0Vとします。円筒間はポリエチレン(εr= 2.7)で満たされ、外側電極は接地とします。電磁気学のテキストで利用可能な公式を使用すると、電位および電場の半径方向の変化および単位長さあたりの静電容量は、下記のようになります。
 
 Er(r) = 91.023923/r
 φ(r) = 100.0*[ 1 – ln(r/5)/1.098612]
 c = 1.3567E-10 F/m
 
まず、数値計算のために形状を定義します。Meshを実行し、メニューから「File/Create script/Create script graphics」を選択します。図2に示すように、ダイアログに設定値を記入します。寸法の設定については、解析空間は空間の第1象限のみをカバーすることに留意してください。ここで採用するテクニックは、対称性のある境界です。解析結果がそれぞれ同じである場合に4つの象限をすべて計算する必要はありません。
 
インタラクティブな描画セッションを開始するためのダイアログ
図2.インタラクティブな描画セッションを開始するためのダイアログ。
 
[OK]をクリックすると、プログラムは図3の描画エディタに入ります。 ディスプレイには、上部にメニューがあり、その下に描画ツールセット、メイン描画エリア、下部にステータスバーがあります。 以下の物理的領域(region)を定義します。
 
Region 1: 円筒間のポリエチレン誘電体
Region 2: 100.0Vの内側境界
Region 3: 0.0Vの外側境界
 
領域(region)を入力する際に、現在の領域が前に作成した領域の共有部分の要素やノード(節点)を上書きすることに注意してください。
 
Meshの描画エディタ
図3.Meshの描画エディタ
 
デフォルトでは、描画エディタは、Region 1のアウトラインベクトルを追加する準備ができています。線ツールをクリックし、マウスカーソルを描画領域に移動します。カーソルが十字に変わり、現在の座標位置を示すオレンジ色のボックスがあることに注意してください。スナップモードがデフォルトで有効で、ボックスは設定されたステップで段階的に正確な座標位置に移動します。マウスカーソルを動かして座標ボックスを原点[0.0、0.0]にドラッグし、マウスの左ボタンをクリックして線ベクトルの始点に設定します。次に、x軸の終点[15.0、0.0]に移動し、もう一度ボタンをクリックして終点を設定します。領域(region)1の色の線が下の境界に沿って表示されます。プログラムはライン入力モードのままです。 y軸に沿って別のベクトルを描画します([0.0、0.0]から[0.0、15.0]まで)。ライン入力モードを終了するには、マウスを右クリックします。領域の円形の外周を追加するには、「Arc/Start-end-center」ツールを選択します。[15.0,0.0]、[0.0、15.0]、[0.0、0.0]の位置に順にマウスを移動し、左ボタンをクリックします。図3の円弧ベクトルが見えるはずです。
 
Region 1のアウトラインが完成したら、領域のプロパティを設定します。 「Settings/Region properties」を選択して、図4のダイアログを表示させます。Region 0は、出力スクリプトに表示される参照ベクトルを格納する特別な場所です。Region 1の名前を「DIELECTRIC」と入力し、Filled(塗りつぶし)ボックスをチェックします。この場合、Meshは境界のノードだけでなく、囲まれた要素もRegion 1に割り当てます。 (Filledプロパティは、面積がゼロでない領域に適用できます。)ダイアログを終了します。
 
20176916352.png
図4. Regionプロパティのダイアログ。
 
 
次に、誘電体領域の一部を上書きして内側電極を作成します。 「Start next region」(次の領域を開始)をクリックします。入力したすべてのベクトルはRegion(領域)2に関連付けられます。Region 2はRegion 1と同じ形状ですが、半径は15.0ではなく5.0です。 最初の行が[0.0、0.0]から[5.0,0.0]まで伸びる以外は同じ手順を使用します。 完了したら、「Settings/Region properties」(領域のプロパティ)に行きます。 INNERELECTRODEという名前をRegion 2に割り当て、Filledプロパティを設定しダイアログを終了します。
 
これまでの作業を確認するには、「Toggle fill display」(塗りつぶし表示切り替え)ツールをクリックして図5のプロットを表示します。塗りつぶし表示(fill display)モードは、メッシュの診断と可視化の補助の両方の役割があります。 塗りつぶし領域のベクトルが閉じた面を定義していることをチェックし、囲まれた要素がどのように割り当てられているかを示します。 ツールをもう一度クリックすると、通常のベクトル表示に戻ります。
 
20176916439.png
図5.塗りつぶされたRegion 1と2の完全性のチェック
 
 
領域(Region)3を定義することによって設定は終わりでます。この領域は、塗りつぶされたボリュームではなく、外側の境界にある固定電位ノード(節点)のセットです。 このような領域は、塗りつぶされていない(un-filled)領域またはライン領域と呼ばれます。 「Start next region」(次の領域の開始)ツールをクリックし、「Arc/Start-End-Center」ツールをクリックします。 外側境界を上書きするには、[15.0,0.0]、[0.0、15.0]、[0.0、0.0]の座標に順番に移動し、マウスの左ボタンをクリックします。 Region 1の外縁のノードは、Region 3(薄紫色)に再割り当てされます。 領域名を「OUTERBOUNDARY」と設定し、Filledボックスはチェックしないでください。 左下の誘電体境界に特別な条件を設定する必要があるのではないかと疑問に思われるかもしれませんが、有限要素解法の優れた点は、デオフォルトの境界が自動的にノイマン条件になることです。 ここでは単に境界線だけを残しておきます。
 
 
「Export MIN」(MINファイルの書き出し)ツールをクリックして、作業内容のコピーを保存してから、描画エディタを終了します。作業の結果を確認するには、「File/Edit file」コマンドを選択し、COAXIALCYLINDERS.MINを選択します。以下が内容です:
 
* File: CoaxialCylinders.MIN
 *  -------------------------------------------------------
GLOBAL
 XMESH
  0.00000   15.00000    0.20000
 END
 YMESH
  0.00000   15.00000    0.20000
 END
END
*  -------------------------------------------------------
REGION  FILL DIELECTRIC
 L     15.00000    0.00000    0.00000    0.00000
 L      0.00000    0.00000    0.00000   15.00000
 A      0.00000   15.00000   15.00000    0.00000    0.00000    0.00000
END
*  -------------------------------------------------------
REGION  FILL INNERELECTRODE
 L      5.00000    0.00000    0.00000    0.00000
 L      0.00000    0.00000    0.00000    5.00000
 A      0.00000    5.00000    5.00000    0.00000    0.00000    0.00000
END
*  -------------------------------------------------------
REGION OUTERBOUNDARY
 A     15.00000    0.00000    0.00000   15.00000    0.00000    0.00000
END
*  -------------------------------------------------------
ENDFILE
Regionのベクトルと座標についてはよく知っているはずです。上のコマンドは、要素のサイズを設定します。今のところ、デフォルトを受け入れています。
 
最後のステップでは、領域境界を設定したファイル(COAXIALCYLINDERS.MIN)から完全なメッシュを記述するファイル(COAXIALCYLINDERS.MOU)を生成します。メインのMeshメニューで、「File/Load/Load script(MIN)」を選択し、作成したばかりの入力ファイルを選択します。 [Process]を選択してから[Plot-repair]を選択すると、図6の結果が表示されます。 これは良いメッシュでしょうか?定性的には、境界は比較的滑らかであり、すべての形状が良好に再現されている(すなわち、空間的な形状変化がいくつかの要素に及んでいる)ため、答えはイエスです。この結論に関しましては今後の記事でより定量的に取り上げます。
 
20176916536.png
図6.完成したメッシュ
 
次の記事では、作成したメッシュを電場の計算と比較に使用します。
 
 
 

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電子ビームやイオンビームの計算で粒子が多い場合の表示

OmniVIewのフィルター機能について、お知らせいたします。
 
電子ビームやイオンビームの計算で、粒子数が多い場合、OmniViewは自動的にフィルター機能を使って粒子の数を間引いて表示します。
しかし粒子の軌道が複雑な場合は一部の粒子しか表示されないことによってすべての粒子を表示した場合と見え方がかなり違って見えてしまう場合がありえます。
 
そのような場合、すべての粒子を表示したい場合は下記のようにしてください。
 
(1) PLOTCONTROLメニューの「Orbit filter」を選択します。
(2) 右側のNSkipのボックスの数字がどれくらい粒子を間引いて表示するかをしめしています。これを1にしてください。
(3) OKをクリックすればすべての粒子が表示されます。

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MetaMeshで各regionの体積を知りたい場合

以前のMetaMeshのバージョンでは何も設定しなくてもログファイル(.MLSファイル)に各regionの体積が書き出されていたのですが、最近のバージョンではオプションになりました。

最新のMetaMeshで各regionの体積を表示させるには、

VOLUMECHECK ON

というコマンドを.MINファイルのGLOBALセクションに書き込んでください。(ZMeshコマンドのEndの後やRegnameコマンドの後など)

そうしますと、MLSファイルの終わりの方に

NReg Volume

で始まる表が書き出されます。 NRegの下の数字がregion番号で、Volumeの下の数値が各regionの体積になります。

Meshのドローイングエディタでマウスで範囲指定できない問題

MeshのドローイングエディタでズームやSelct windowで範囲選択しようとした場合に、座標を入力するダイアログ(図)が現れ、マウスで範囲選択できなくなる(F1キーでも切り替えられなくなる)場合がまれにあります。

 

これは、Meshの "PLOT-REPAIR”メニューのモード(作成し終えたメッシュを表示するモード)でキーボード入力モードに切り替えたままでマウス入力モードに戻していないままであることが原因です。

 

解決策は、Meshでメッシュファイル(.MOU)を開くか.MINファイルをPROCESSしてメッシュを作成し、”PLOT-REPAIR”メニューをクリックし、”VIEW”メニューの”Mouse control” > “Toggle mouse/keyboard”を選択してください。

これでマウス入力モードに戻ります。VIEWメニューのZoom windowコマンド(左端のズームボタンと同じ)を選んでマウス入力モードになっているか確認できます。)

この後RETURNメニューをクリックして最初の画面に戻れば、以降はDXFをインポートするときなどのドローイングエディタでマウス入力が出来るようになります。(F1キーで一時的にキーボード入力に切り替えられます。)

 

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